ハンドメイドの販売体制 ①主役と脇役

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売場は最高の舞台

ハンドメイドの現場に長いこと携わってきて、一番気にかかっているのは販売体制です。
皆さん、作ることにかなりのエネルギーを注力しているのですが、そこで力尽きてしまったように感ずる方が多く見受けられます。
販売し、支払われるまで、終わりではありません。

販売ステージ(売り場)は役者でいえば舞台です。
手塩にかけた作品を、社会にどのようにお見せするか、発表の場です。

あなたの作品が主役なら、脇役を含め舞台装置がなければ、だれが見てくださるのでしょうか。
けれど残念なことに、ハンドメイドの売り場は常設ではありません。百貨店でいえば、その多くは催事場や特設として臨時で展開されることが多く、お世辞にもお金のかかった大舞台とは程遠いものです。

初めて出展される方は、どんなにがっかりされることでしょうか。
でも、よく考えてください。
商品の保証もなく、素人が作った作品を無条件で販売させてくれるところがどこにあるのでしょうか。
むろん販売手数料や什器代等々、最低限は経費として必用ですが、そのあと、与えられた条件の中で、自分の商品を光らせ、目立たせるのは、あなたしかおりません。

多くの作家さんと接するたびに残念に思うことは、「作って終わり!!」で本当に終わっていることです。

季節感と流行

では、どうすればよいのでしょうか・・・
自分の売り場に、季節とその時の流行を少し取り入れることです。

作品はオリジナル、個性、ですから、高らかに自己主張していただきたいと思います。
ですが、主役だけでは芝居はできません。
見ているほうも飽きがきてしまいます。

私達は、無意識に季節を感じ、折々の流行を感じて生活しています。
そこに安心感や親近感、今ある生活空間に親しみを感じます。
まず、全体であなたの売り場に親しみを感じていただくところから始めましょう。
商品の魅力はそれからです。

具体的に言うならば、売場に広げる布地の色に四季を取り込んでください。
さすがに、今ではむき出しの販売台に作品を直接置く方はいらっしゃらなくなりましたが、それだけで毎回来てくださるお客様も、例え毎回同じ商品であっても、目新しさを感じられるでしょう。

次は、売り場に高さを出してください。
ここに少しの流行、色でも象形でもさりげなく盛り込んでください。新鮮さを感ずることになります。
これだけで50%達成です。

これを意識してか、売り場に季節の花、例えばひまわりや、紅葉の枝を一本、ぶっきらぼうに、什器に差し込んでいる方がありますが、かえってマイナスです。
これらは重要な脇役なのですから、十分役目を果たしてもらわなくてはなりません。

テーマと主役

貴方の作品は何でしょうか?
雑貨でしょうか、衣料でしょうか、アクセサリーでしょうか?

それは、お客様の日常のどのような場面で使ってもらいたいのでしょうか?
「買いたい」と思う動機をどうしたらもっていただけるのでしょうか?

それには、あなた自身が使ってみたい場面を想像し、売り場の小さなひと隅に演出してください。
子共の入学式に、友人の結婚式に身に着けるにふさわしい作品であることを、表現しなくてはなりません。

たくさんある作品の中から、これぞ今回のテーマという作品を絞って、それに沿った空間を作ってください。

八百屋の店先にはたくさんの野菜が並びます。
それこそ、色とりどりの野菜が、一列に整然とならんでいます。
顧客は自分の目的に沿って野菜を購入しますが、さて献立がない日の場合、迷います。
けれどその中に土鍋の中に入っている野菜を見つけた時、多くの方の今夜のメニューは決まります。
少し乱暴なたとえですが、売り場、すなわち舞台とは演出がないと顧客の足を引き留めるのは難しいと考えてください。

作品数はたくさんあるのですから、主役は常に交代します。
これらの作品に、作るときの情熱に加え、あなたの意思を持たせなければ、八百屋の店先に一列に並ぶ人参や大根と同じ、その他大勢になってしまいます。

冒頭に戻ります。
販売力のある方の売り場は、毎回目新しい作品があるように感ずるのですが、主役の抜擢と演出が上手なのです。

人間って、うまくゆかないとだんだん自信喪失になってゆくものです。
自分の作品が劣っているように感ずるようになりますが、努力する場所の視点を変えてみてください。
自分の作品は自分が意思を持たせなければ、業績を合あげることは難しいものです。

これにご質問やご意見のある方はどうぞお問い合わせください。

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