氏名 | 西岡恵子 |
住所 | 神奈川県横浜市 在住 |
作品 | 天然素材雑貨 |
自然素材との出会いが私の創作の元
今は横浜市旭区で暮らしておりますが、九州佐賀県の生まれです。
私の手作りの素材は、自然素材が中心ですが、初期には樹脂粘土で小物を中心に販売しておりました
「科の木」・「対馬麻」・「山ぶどうの蔓」が現在の私の主力商品の素材です。しかも産地から直接購入しています。
何故こんなラッキーに出会わせたか。・・・それは、主人との旅行がきっかけでした。
山形県の関川町に出かけた時「科の木」で作られた素朴でしたが、力強い織物に出会いました。
最初「科の木」がわからずにいた私でしたが、丁寧な説明を受けてから益々ほれ込んでしまいました。
「科の木」・・・シナノキと読みます。ミズナラやハンノキが仲間で菩提樹もこれに属しています。
落葉高木樹で、この木の皮から糸にするまで1年はかかります。
これにほれ込んだ私は、現地の人と親しくなり今では専売に卸していただいております。
そして私は、帽子やバック、ベスト、ブローチなどのアクセサリーを作り、販売させていただきながら、多くの方に素材や、「しなおり」を広く知っていただきたいと一生懸命説明させていただいております。
山ぶどうの皮も、奥会津の村に旅した時に出会いました。
あの固くて丈夫な山ぶどうの皮が、どうしてこんなに見事な曲線を描くことができるのか
またまた一目ぼれでした。
一生懸命聞いて、一生懸命説明して下さる。
そんな出会いの積み重ねが、今の私のモノづくりの原動力になっているのだと思います。
皆さんは「対馬麻」をご存じですか?
かって対馬で自生し、庶民の衣服になっていたものです。原料が大麻だったことから、昭和初期に栽培禁止となってから、今はもう栽培されていないようです。
古い民家を解体した時、甕の中から偶然出てきたものですが、これも親戚筋から、私の手元に送られてきました。
もしかしたらこれが最後のものなのかもしれないと思うと、何を作るか決めるまで大事にしたいと思っております。
何事もないのが幸せ。これからも素材を生かしたモノづくりを
何事もないのが幸せ。
これからも素材との出会いを楽しみに、手作りを続けられたら良いなぁ・・・と思っております。
販売力がなく、売り上げが低いのは気になりますが、ものづくり、そして販売できた時の喜びはまた特別なものです。
今、私は楽しんで手作りをしております。
夫も定年退職し、子供も独立し、皆それぞれが穏やかに暮らしているのが、私の毎日の原動力であり、創作意欲の源です。
素材を中心にしたモノづくりがメインですが、材料が切れたとき、私の創作生命も切れると思い、何も無駄にすることなく大切に扱っています。
この記事は、西岡恵子氏のインタビューをもとに書き起こし、STA企画 青木みなこが編集し、氏の了解を得て公開しております。