樹脂粘土工芸作家 杉岡 和子 様

氏名杉岡 和子
住所千葉県船橋市
作品樹脂粘土工芸
ブランドメルヘン工房
目次

半世紀にわたるハンドメイド販売

パンフラワーの講師がきっかけで販売に

私のハンドメイドの販売歴はとても長いものです。STA企画に出会う以前より販売に従事しておりましたから、50年近くなると思います(笑)

相模原市に転居してから、当時パンフラワー作家として活躍しておられた、斎藤幸子先生の教室に入り講師の資格を取りました。

それから、町田にある小田急百貨店から声をかけていただき、友の会の講師になり、進められるままに、手作り展に初めて参加し、ここから本格的に手作り展で販売に携わるようになりました。

昔の「パンフラワー」と言っても今の若い方には耳慣れない手芸アイテムではないでしょうか。これはメキシコの手工芸で、「食パン」と「コールドクリーム」と「ボンド」を併せこねたものが素材でした。
これを作品にすると重い上、ゴキブリに齧られるなど、今では考えられないしろものでしたが、当時の私はこんな材料で作られた重厚な花のオブジェに魅せられていました。

勿論現在のように葉型はたくさんありませんでしたから、木の葉を作るにしても、「生の葉」の裏側にコールドクリームを塗り、その上に粘土を乗せ葉脈を写し取っていたものです。

そんな材料を変えたのが日清製粉です。小麦粉を主原料として製造されたものですが、「重い」という課題は克服されませんでした。
この課題を克服し、今に通用するようになったのが、樹脂粘土です。

身近にある粘土工芸に、紙粘土や石粉粘土があります。けれど素材の粘土の扱いは全く異なります。
紙粘土や石粉粘土は素材から、すぐに成型に入り水彩絵の具で着色しますが、樹脂粘土はまず素材の粘土を油絵の具で着色するところから入ります。
成型し、十分乾燥させたのち、着色する工程は同じですが、水彩と油絵の具の差で作品の印象はかなり違ったものになります。

満州で生まれて

私は満州で生まれました。
父が満鉄の職員であったので、3歳まで満州で過ごし、終戦の1年前に父を残し、母と日本に帰りました。
幼いころの記憶はほとんどありませんが、日本に帰るまで、そして父が帰ってくるまで、母は苦労したことと思います。

22歳で共立女子大学を卒業し、23歳で結婚します。
在学中に中学・高校の教員資格を取りましたが、教職に就くことはありませんでした。

しかし専業主婦でいる期間も長くはありませんでした。
幼児教育に興味を持ち、国家試験に挑戦し保育士の資格を取り、幼児教室を開いていました。
先生業が向いているのかもしれません。(笑)

今、多くの若い方が、樹脂粘土を習いたいといってこられますが、長続きしないのが残念です。
創作意欲・販売意欲は買いますが、基礎力がなくては良い作品は作れないと思います。
時代が気ぜわしいせいなのでしょうか、じっくりと、一つのものに集中する力が不足しているように思われています。

小さな人形達

私の作る人形は小さなメルヘン人形が主体です。
子育ての中から、可愛らしいものに目がいくようになり、花から小さな人形に変わっていきました。
なかでも、魔除けになるというピエロをよく作っています。

何を参考に作るのか? と聞かれることがありますが、本は見ません。
見てしまうと頭にイメージが残り、どこかで真似をしてしまうのではないかと思ってしまうからです。
いつでも、どこでも何を作るか考えています。
特にクリスマスやひな祭りなど、社会的なテーマがあるときは歳時の2~3カ月前から作り始めます。

よく季節商品は売れ残るからあまり作らないという方もいらっしゃるようですが、じっくり構えて作れば、売れ残ることをそれほど心配することはないように思います。

子育ての中で、満遍なく栄養のある食事を心がけてきてから、今でも3度の食事は様々な食材を取るようにしています。
それによって季節も分かり、作品のテーマにもつながってゆきます。

これからのハンドメイド

半世紀近くハンドメイド販売に携わってきて、随分変わったなあ・・・と実感します。
何より、より専門的な方が少なくなりました。
アイデアだけが先行しているように感じます。
手芸にかかわらずどのようなものでも、基礎力がないと、せっかくの素敵なアイデアが生かされず終わってしまうのはもったいないように思います。

それより、困ったな・・と思うのは手芸店が少なくなり、材料が手に入りにくくなってきたことです。
長いことハンドメイドに携わってきて、今後この世界がどこに行ってしまうのか、想像もできませんが、ものづくりが終わってしまうことはないと思いながら、今日もせっせと制作しています。

※この記事は、杉岡 和子氏のアンケートとインタビューから書き起こし、STA企画 青木みな子が編集し、氏の了解を得ております。

作品紹介

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