もう何年も5時前に起きるなんてことはなかった。
昨夜の千葉の深い海底で起きた大きな地震が、その後の私の眠りを阻害するものではなかったが、翌日、遅刻が許されないとなると、否応でも早くに目が覚める。
予定の1時間以上も前に家を後にした。
6時を少し過ぎたころ、小田急線の改札前広場が何やら騒がしく、その前を通りながら嫌な予感がした。
案の定、JR横浜線の改札前は人であふれ、JR社員のメガホンの叫び声がますます喧騒を増幅させていた。
入場規制を待って、ホームに立ったものの、電車の入場時間は未定。
30分も待って、そろりと入場してきた電車はすでに満員。そこへ新たに押し入るわけだから、私などはじき出されてしまう。
次を待つにしても、結果は変わらないだろう。
懸命な判断が必要。
私はさっさと本日の予定をあきらめた。
ここからが、今朝感じた小さな感動。
小田急線町田駅とJR町田駅の間には、長デッキがあり、いつでも多くの人の往来であふれている。
それが本日は小田急線改札前広場からJRのそれまで長い行列なのだ。
距離にして300M余りだろうか。
多数の警察官が出て人波をさばいている。
そして私はさすが!・・・と思ったのである。
つまり右側は下り電車の列。左は登り電車の列。
誰も騒がず慌てず、実にスムーズに、見事に分かれて黙々と並んでいるのである。
ホームへの入場規制を、ここからさばいているのである。
上下に分かれて並ばせるとっさの知恵は、誰もが持っている普通のことなのだろうか。
私など、決して思いつかない知恵である。