父の庭先から『共通点』

私は父をかなり変人だと思うことがあった。
その一つは、収集癖である。

どこが良いのか、実につまらないものを集めてくる。
鍵のかかった、古い小さな水車小屋の貯金箱があった。
聞けば、ガラクタ市で50円で買ってきたという。
鍵もなく、開けようがないこんなものをと思う、家族のひんしゅくなどものともせず、大切にしていた。

電線工事をしていると、その下で、銅線の切れぱっしが落ちてくるのを辛抱強く待っていたりする。
聞けば、柔らかく、錆びず、枝の成型に必要不可欠なものだそうだ。

真ん中に穴の開いた直径30センチ、高さ25センチぐらいのコンクリートでできた円柱があるが、これはバス停の表示板の底部だったという。
重たくて、私一人ではとても動かすことができない。

呆れるより、笑い出してしまうのは、出勤したはずの父が、これを転がしながら、すぐに戻ってきたというのだ。
我が家はバス停からそう遠くはないにしても、こんな重いものを、人目もはばからず、転がしてくる父の姿を想像すると、おかしいより恥ずかしい。

高さ60センチほどのカメがある。
これもガラクタ市で1000円で買ってきた搾菜の甕だ。
運転もできなかった父が、どうやって運んできたのだろうか。
何を入れるでもなく、おまけに丁寧に蓋まで作って大事にしていた。

最近私は、老酒の入っていた、空の甕をもらい受けた。
直径30センチ、高さ40センチほどのかなり重い甕である。

何にするでもなく、中に虫が入るのがいやで、植木鉢で蓋をしている。
そんな私と父はそっくりだとご近所さんは笑う。
イヤー!一緒にしてほしくないなぁ。

おまけに、朝晩、腕組をしながら、庭を眺めている姿は、父にそっくりだといって笑われる。
ホント! 一緒にしてほしくないものだ。

でも、もうすぐ2個目の老酒のからの甕が運ばれてくる。
父がいたら、さぞ喜ぶに違いない逸品である。
私もこんなものが結構好きなのだなぁ・・・
似てると言われれば、そうかもしれない。

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この記事を書いた人

6月生まれ
そのせいか、寒さより、暑さに強い
限界を超えた体重に苦慮して、昨年、カーブス入会
見た目より、感傷的で繊細(と自分では思っている)

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