暗いのはよくない。
寂しいのもよくない。
感傷的なのもよくない。
明るく、力強く、前向きであるべきだ。
文字は思いを形にする。
だから気を遣わなければならない。
しかし こうあるべきだと理想の言葉を言い聞かせ、思いに枷を嵌めてしまうと息苦しくもある。
「強くなければ生きられない」
確かに!! 確かに!!
そう、この庭の雑草を見ていればわかる。
彼らには、弱さも、悲しさも、寂しさなどみじんもない。
雨にも負けず、風にも負けず、じりじりした夏の太陽を受けても、他を圧倒してのさばってくる。
ただ、ただひたすら、生を受けた今生をまっとうに生きようとしている。
彼らの生きる過程に、不都合なんてことがあるのだろうか。
不満や不安、迷いがある分、私はひ弱なのだろうか。
寂しいと書くから寂しくなるのか、暗いと書くから暗くなってしまうのか。
幸せと書けば幸せになれるのか、楽しいと書けば楽しくなるのか。
強くあるためには、心を誰かに気取られてはならないということか。
梅雨の長雨が、すべてのものをじめじめと追い込んでゆく。
今日の私は、何をしても憂鬱でかび臭い。